5月の風がやさしく頬をなでる、そんな晴れの日。端午の節句を迎え、わが家恒例の柏餅を求めて、神戸阪急の地下にある「仙太郎」へ足を運びました。
毎年楽しみにしている季節の味。今年は柏餅と一緒に、初夏を感じる若鮎もお供に連れて帰ることに。和菓子の世界は、見た目も味も季節そのもの。そんな移ろいを五感で受けとめながら、今年もひとつ、暮らしの彩りが加わりました。
京の老舗・仙太郎が届ける、変わらぬ手仕事
わが家のお気に入りの和菓子屋といえば、京都に本店を構える「仙太郎」。素材を選び、丁寧に仕込まれるあんや餅は、素朴でやさしく、どこか懐かしさを感じさせてくれます。
今回訪れたのは、神戸阪急の地下1階にある仙太郎。ガラス越しに見える和菓子作りの様子に、つい見入ってしまいます。並ぶ人の多さもまた、仙太郎の人気の証。手作りの姿を眺めながら待つ時間も、ひとつの楽しみに感じられる場所です。
混雑を避けたい方には、開店直後の時間帯が狙い目かもしれません。
なお、仙太郎の歴史やこだわりについては、以前のブログ記事でもご紹介しています。あわせてぜひご覧ください。
よもぎ香る柏餅と、初夏を告げる若鮎

この日のお目当ては、もちろん柏餅。白い生地のこし餡と、よもぎ生地のつぶ餡の2種類があり、わが家は迷わず、香り高いよもぎを選びました。
よもぎは古くから薬草として親しまれており、身体を温めたり、リラックス作用があるとも言われています。餅生地に練りこまれたよもぎの風味が、口にふくんだ瞬間ふわりと広がり、甘さ控えめの粒あんと見事に調和。春から初夏へと移りゆく季節を、ひとくちで感じられるような一品です。
店頭には、若鮎やみなづきといった初夏の和菓子も並んでいました。
みなづきは現在、白のみの販売。5月10日からは抹茶と黒糖も登場予定とのことで、黒糖好きの私は次回に楽しみを取っておくことに。今回は、つぶらな瞳が愛らしい「若鮎」を連れて帰りました。ふんわりとしたカステラ生地と、つるりとした求肥のバランスが絶妙で、夏の入り口を告げてくれるようでした。

和菓子が運んでくる、家族の記憶と願い
柏餅を手にすると、いつも思い出すのは子どもたちの幼かった頃の顔。端午の節句のたびに、弟や息子たちの健やかな成長を願いながら、家族で囲んだあの食卓。
時を経て、今は離れて暮らす彼らにも、この和菓子の香りとともに、健やかで笑顔あふれる日々が続きますようにと願いを込めて。今年もまた、変わらぬ想いを柏餅にのせていただきました。

基本情報
〈仙太郎 京都本店〉
・住所:京都市下京区寺町通仏光寺上ル中之町576
・営業時間:8:00〜17:00
・定休日:1月1日
〈仙太郎 神戸阪急店〉
・住所:神戸市中央区小野柄通8-1-8 神戸阪急 本館地下1階
・営業時間:10:00〜20:00(百貨店の営業時間に準ずる)
・アクセス:各路線「三宮」駅すぐ
※おうちでも季節の甘味を楽しみませんか?
レモンレアチーズケーキ、わらび餅、フルーツミルク寒天など、わが家の定番・夏の涼味おやつもそろそろ出番です。
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やっぱり和菓子っていいな、と思えた日
仙太郎の和菓子は、季節の移ろいをそっと手渡してくれる存在。今年も柏餅と若鮎を味わいながら、家族や自分の暮らしに、ひとつの区切りと願いを込めました。
和菓子がつないでくれる記憶と今。これから迎える夏の味わいにも、きっとまた、心ほどける時間が待っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
健康で、彩りのある日々を🍀

