はじめに 〜雨上がりの京都で〜
雨上がりの翌朝、ほんのりと湿った空気を胸いっぱいに吸い込む。少し蒸しっとする感覚が肌を包み、ああ、夏の京都ってこんな感じだったなと、過去の旅の記憶がふわりとよみがえります。
5月の中旬、新緑がまぶしく、風がやさしく木々を揺らす季節。そんな中、京都・仁和寺へ足を運びました。目的は、御室流の花展。知人からのお誘いで、初めて「お寺さんで開かれる花展」を訪れることに。庭園の美しさと、花々のもつ静かなエネルギーに惹かれながら過ごした一日。五感で味わった時間を、綴ってみたいと思います。
古都・仁和寺の魅力とアクセス

仁和寺(にんなじ)は、真言宗御室派の総本山であり、世界遺産にも登録されている格式あるお寺です。宇多天皇ゆかりの門跡寺院として知られ、桜の名所としても有名ですが、初夏の新緑もまた格別。
御室流の花展が行われるのも、この由緒ある仁和寺。華道の流派である御室流は、このお寺の名を冠し、寺院文化と深く結びついています。
今回は、JR京都駅から市バス26系統に乗り、約45分。「御室仁和寺〔おむろにんなじ}」バス停で下車すると、すぐ目の前が仁和寺の門です。バスは混雑もなく、静かな移動。帰りは京阪バスで四条河原町へ出て、そこから阪急電車で神戸まで帰りました。
門をくぐる 〜静寂と新緑の中へ〜
バスを降りると、どっしりとした迫力ある仁王門が迎えてくれました。その存在感に、これから出会う世界への期待がぐっと高まります。段差の大きな石段を一段一段、足元を確かめながら上がっていく。

門前に立ち、ふと振り返ると、向かいに見える山の風景が視界の奥行きを広げてくれるようでした。

京都駅や四条通りの人混みとはまるで別世界。ここには、音も人の気配も少なく、時間がゆっくりと流れているような静けさがありました。新緑が風に揺れる音、小鳥のさえずり。まるで自分の呼吸も整っていくような心地よさ。
御室流の花展へ 〜感じる花の力〜
仁和寺の境内を歩き、お目当ての花展会場へ。受付までの道のりには、低く枝を伸ばす見事な松や、色とりどりの花が出迎えてくれます。


受付を済ませ、板張りの廊下を進むと、足の裏から伝わる素材の変化が楽しくて。畳、カーペット、板の間。視覚がない分、床の違いが小さな冒険のように感じられました。
花展では、生け花の作品たちが、和室の静けさの中に凛と佇んでいました。甘い蜜の香りに誘われて、小さなアリも花に寄ってきていて、自然との共存を感じさせてくれます。
奥の和室には、ひときわ印象的な作品が。花器のかたちもユニークで、繊細で力強く、静かに「生きている」と語りかけてくるようでした。花に詳しいわけではない私ですが、その存在感には心が惹きつけられました。

茶室と和菓子の時間 〜丁寧に過ごすひととき〜
花展のあとは、二つの茶室を見学。写真は基本禁止でした。コケの保護のため、スリッパを履いて飛び石をそろそろと歩く。視界が限られる私には少し難しい道のりでしたが、知人のあたたかなサポートに助けられながら、無事に歩ききることができました。
茶室では、壁の素材「さびかべ」などの解説もあり、日本の美意識の奥深さを少し垣間見た気がします。

見学後は、別室でいただいたお抹茶と和菓子。静かな部屋に広がるお抹茶の香りと、ほのかに甘い和菓子の味が、五感に沁みました。
このお部屋にも自由花の作品が並び、初めて見る八重咲きのユリ、自宅でも楽しんでいた芍薬(しゃくやく)など、暮らしのヒントがたくさん。花のある暮らしが、より身近に感じられました。
心に残ったこと 〜歩いてきた道を思いながら〜
最後に本堂にお参りし、御朱印をいただいて仁和寺を後にしました。

この日で、私の御朱印帳が一冊、いっぱいに。見えにくくなり、人混みが怖くなり、外出を控えるようになったあの頃には、想像もできなかった日です。
ここまでこれたのは、いつも助けてくれる人たちのおかげ。付き添ってくれた友人、見守ってくれる家族、優しい言葉をかけてくださる方々。もちろん、少しずつでも勇気を出してきた自分にも。
この体験をこうしてブログに綴ることで、誰かの背中をそっと押せたら。そんな気持ちでいます。

基本情報
- 名称:仁和寺(にんなじ)
- 所在地:京都府京都市右京区御室大内33
- アクセス:JR京都駅から市バス26系統「御室仁和寺」下車すぐ
- 拝観時間:9時〜17時(受付は16時30分まで)
- 休館日:なし(行事等により変動あり)
- 拝観料:大人500円、高校生以下300円(2025年5月時点)
- 公式サイト:https://ninnaji.jp
関連・おすすめリンク
まとめとひとこと
仁和寺でのひとときは、花の美しさと静けさに包まれた、まさに“こころを洗う”時間でした。日々の暮らしにも、この丁寧な空気を持ち帰りたい。そんな気づきをくれた、優しい旅。
次は、仁和寺を眺めながらいただいた京ランチのお話を綴ります。どうぞ、お楽しみに。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
健康で、彩りのある日々を🍀





