現在、兵庫県立美術館ではキース・ヘリング展が開催されています。開催期間は2024年4月27日から6月23日までです。彼のシンプルで力強いアウトライン、メッセージ性の高い作品は多くのファンに愛されており、ユニクロとのコラボUT シャツでもその魅力が広まっています。私が訪れたのは、平日金曜日の午後。若い方々が多く来場していて、彼の人気の高さを感じました。それでは、神戸で開催されているキース・ヘリング展の様子をご紹介します。
イベント展は3階で、チケット購入は1階となります。お手洗いは1階にあるので先に済ませておくと良いでしょう。
兵庫県立美術館へ。
『キース•ヘリング展』が開催されているのは、兵庫県立美術館。
神戸三宮から、阪神電車で東(大阪方面)へ2駅、『塩屋』で下車し、駅を出て左手(海方面)へ真っ直ぐ、およそ徒歩5分。建物の上にいるカエルのオブジェが迎えてくれます。(JR灘駅からも徒歩圏内です)
兵庫県立美術館は、建築家 安藤忠雄さん設計の美しい建物です。
『キース•ヘリング展』
サブウェイドローイング
展示は地下鉄の壁に描かれたキース・ヘリングの作品から始まります。黒板のような黒い壁にチョークで描かれた作品たちが並びます。
インクでは滲んでしまうため、チョークを使用していたそうです。驚くことに、1つの作品にかける時間はわずか2〜3分。その理由は、当時の地下鉄の壁には広告が掲示されており、キースはその空きスペースに描いていたからです。地下鉄の壁に絵を描く行為は違法だったため、彼は急いで描いて逃げていたのです。
展示では、サブウェイドローイングがずらりと並びます。目を閉じてアメリカの地下鉄を想像し、その中で描かれた彼の絵をイメージすると、静かな美術館の中で鑑賞する絵とは違った趣を感じることができます。地下鉄の人混みや音、匂いの中での日常の中での彼の絵は、行き交う人々にどんなメッセージや感情をもたらしたのでしょうか。
白黒の世界から鮮やかな世界へ
キースは黒地に白、白地に黒の絵だけでなく、ポップで鮮やかな色の作品も多く描いています。
ブラックライトを使用した作品も展示されており、鮮やかな色を取り入れた作品はアウトラインがより力強く感じられます。
アンディ・ウォーホルとの交流
展示の中にはアンディ・ウォーホルを描いた作品もあり、キースが大好きなアンディとミッキーマウスを描いた『アンディマウス』の作品も複数展示されています。年代的に入れ違いかと思っていましたが、お二人は交流があったとのこと。どんな話をしていたのでしょうか
舞台アートなど
キースは舞台で使用される作品も描いています。
立体の作品もありました。
作品の多くが撮影可能となっていました。
この逆三角形の作品は彼の晩年の作品で、間近で鑑賞するとそのパワーに飲み込まれそうな迫力があります。この作品に込めた彼の思いとは…。
キース・ヘリングの魅力
私が感じる彼の作品の魅力を3つ挙げます。
シンプルでわかりやすいイラストやメッセージ
- 力強いアウトラインが特徴的です。
躍動感
- エネルギーに満ちており、動きやリズムを感じます。
社会問題をテーマにした作品
- エイズなどのテーマに取り組み、ポップで明るいメッセージを訴求しています。
彼の絵は見る者に強いインパクトを与えます。
鑑賞を終えて
初期の作品から晩年の作品まで鑑賞し、一番強く感じたのは「性と生」。彼のポップな作品は目にしたことがありましたが、彼の生き方やエイズなどの社会テーマにした作品に触れ、心がざわつきました。私が今まで目にしてきたものは、楽しく踊ったり、みんなで愛を支え合ったりするシンプルで力強く温かいものでした。マイノリティやLGBTQが注目される今、彼の生き方や発するメッセージは若者を中心に心を捉えるのかもしれません。「性と生」という普遍的なテーマが、受け手にどのように捉えられるかが問われているような気がします。
今回初めて目にしたこちらの絵。
頭の中にたくさんの楽しいことが詰まっている。
『Fili your head with fun! Start reading!』
慌ただしい日々の中で、自分と向き合う時間ってあるようであまりない。
作品を通して、アーティストの生き様や作品、メッセージを通して、自身を振り返る。
こなすことにとどまらず、感じること、考えること、味わうこと。
人生を楽しむこと。
若い頃のただ感性が磨かれていたあの頃の感覚とは違う、これが歳を重ねるということなのかな。最近、味わうことの楽しさを感じる。そのうち、その深さも知ることになるのだろうか。
音声案内は、俳優の磯村勇斗さん。とても心地よい声のナビゲートでした♡
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
健康で、彩りのある日々を🍀