映画『波紋」観てきました!◇筒井真理子さんなど実力派揃い、ブラックユーモアと共に映し出される社会問題【シネリーブル神戸】

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大好きな女優さん、筒井真理子さん。いつもは脇を演技力で支える女優さん。そんな筒井さんが主演!いざ映画館へ。『波紋』を観てきました。

ここでは、映画を観た感想を備忘録かねて記すと共に、舞台挨拶や荻上監督のインタビュー記事などもご紹介します。

波紋

10年前実父の介護を放棄し失踪した夫が、帰ってきた。あなたなら、どうする?

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震災、老々介護、新興宗教、障害者差別といった現代社会が抱える問題に次々と翻弄される家族の姿を描いた人間ドラマ。

須藤依子は「緑命会」という新興宗教を信仰し、祈りと勉強会に励みながら心穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、十数年前に失踪した夫・修が突然帰ってくる。自分の父の介護を依子に押しつけたままいなくなった修は、がんになったので治療費を援助してほしいという。さらに息子・拓哉は障害のある恋人を結婚相手として連れ帰り、パート先では理不尽な客に罵倒されるなど、自分ではどうしようもない苦難が次々と依子に降りかかる。湧きあがってくる黒い感情を、宗教にすがることで必死に押さえつけようとする依子だったが……(公式サイトより)

監督 荻上直子

主演 筒井真理子

出演 光石研 磯村勇斗 木野花 キムラ緑子 柄本明 江口のりこ ムロツヨシ

公開 2023年5月26日

映画『波紋』予告編

息子役の磯村勇斗さんがベテラン女優さんたちに囲まれタジタジの舞台挨拶も和みました。公開動画貼っておきますね。

磯村勇斗タジタジ!筒井真理子、木野花、キムラ緑子らお姉さま方の迫力トーク全開!映画『波紋』プレミア上映会舞台挨拶【トークノーカット】

筒井さん、光石さん、磯村さん、荻上監督が登壇された舞台挨拶も撮影エピソードを紹介されています。

【トークノーカット】筒井真理子が我慢を重ねたこと&光石研は磯村勇斗をライバル視!?映画『波紋』初日舞台挨拶

荻上直子監督のインタビュー記事はこちら。

ロングインタビューで作品への思いなどたくさん話されています。

感想(備忘録)

感じたこと、考えたことを綴っています。今回は自分なら…から始まり内観時間が多かったです、

社会が抱える課題(原発、介護、新興宗教、貧困、障害者差別、独居老人など)をリアルに映し出しながら、クスッと笑えるブラックユーモアもあり、観終わったあとも余韻が残る作品。

しばらく自分なら…と考えたり、社会課題をいつもより深く考えるきっかけをもらえる。ちょっと宿題を持ち帰ったような感覚を持った。

専業主婦やパート主婦の方々は共感する方が多いのではと感じた。そこまではできないけど、そのモヤモヤ、そのイライラ、その気持ちわかるわぁと。一方で、なんで?と突っ込みたくなるところも。男性が見るとおそらく磯村さんや光石さんと同じように女性ってこわいかも…ってなるかも。

この作品は、女性が人生の中で自分の気持ちや感情を抑制して他者のために生きる姿がリアル。その抑圧が及ぼすメンタルも。災害や介護など、誰か特別な人に起こる現象ではなく、誰にでも起こりうる可能性があるのかもしれない。

介護も、夫婦も、嫁姑も。そこに、震災や夫の失踪など…予期せぬことが起きる。そんなとき、人のためにただ尽くして過ごしてきた人のメンタルはどうなるのか、拠り所を求めるのか、その拠り所とは何なのか…。人とは強くもあり弱くもある。そんなリアルがここにあるように感じた。

エンドロールにムロツヨシさんのお名前があって、え?どこにいらっしゃったの?と思い、思い返すと、炊き出しのシーンしか思い当たらない。たぶん彼だろう。

いろんな手強い相手が主人公の周りにいるのだけれど、1番怖いなと感じたのは、息子の彼女。帰り道のあのセリフ、強烈です。家族で囲む食卓での息子くんとの自分達だけ手話だけ会話も…。

荻上上監督はインタビューの中で、波紋の創作のきっかけや女性への想いについて語っています。その一部を記します。インタビュー記事は、こちらから。

『その日は、雨が降っていた。駅に向かう途中にある、とある新興宗教施設の前を通りかかったとき、ふと目にした光景。 施設の前の傘立てには、数千本の傘が詰まっていた。傘の数と同じだけの人々が、この新興宗教を拠り所にしている。何かを信じていないと生きていくのが不安な人々がこんなにもいるという現実に、私は立ちすくんだ。 施設から出てきた小綺麗な格好の女性たちが気になった。この時の光景が、物語を創作するきっかけになる。』

『私は、この国で女であるということが、息苦しくてたまらない。それでも、そんな現状をなんとかしようともがき、映画を作る。たくさんのブラックユーモアを込めて。』

この映画を見ながら何度も繰り返す、私なら…あなたなら…。絶望のなかて、何をみて何をよりどころとするのか…。そもそも絶望に陥る前に手立てはないのか…。

絶望やそこを味わった人が放つ達観的というか、悟りの境地と言おうか…そんな視座や佇まい、あり方も感じる。人には、それぞれ事情があり、そうせざるを得ない事情あったのではないだろうかと推し量る、許す、流す余裕というか、自分と相手との境界線がしっかりありながらも優しく寄り添う気持ち。年齢を重ねるとは、成熟するとは本来こういうものなのかもしれない。経験や体験と向き合い、何を気づき学び、糧とするか。

昨今は、知識や情報を知るのに精一杯で、深く考え、知識と知恵を持って教養と成す、そんな過程がどんどん希薄になっているようにも感じた。映画は2時間の没入で、感情を揺らし、深く考えるきっかけをくれる。サブスクもいいけれど、やはり映画館で観る没入感は格別だ!!

ラストシーンのフラメンコが印象的でした。筒井さん、素敵です♡

redrose

今回はシネリーブル神戸にて鑑賞しました。シネリーブル神戸へのおすすめの行き方や映画館内のお手洗いなどについても後ほどご紹介していきたいと思っています。

cinelibre-kobe

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

しなやかに生きる 彩りのある日々を🌸

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