「見えづらさ」が進行し、楽しんでいた手仕事を諦めかけた私。しかし、手織りとの出会いが新たな希望をくれました。初めての作品に込めた思いと、作品展に出品するまでの挑戦の日々をお伝えします。
1. 手織りとの出会い
インスタグラムのタイムラインを見ていると、視覚障がい者の方々が手織り作品を作っている写真が目に留まりました。「こんな素敵なことができるんだ…」と、心の中で小さな興奮が生まれました。それまでは、縫い物や編み物を楽しんでいた私も、見えにくさの進行とともに、それらを諦めざるを得なくなっていました。少しさみしさも感じていました。「もっと作りたかったのに、もう作れない…」という後悔もありました。
でも、手織りに出会った瞬間、「また何かを作ることができるかも!」という希望が芽生えました。ダンボールを使って、簡単な手織りキットを作ってみることにしました。そして、『ああ、楽しい!これ、好きだなぁ…」と感じました。子供の頃に織り物に夢中になっていた頃の記憶が鮮やかによみがえりました。
2. 手織りで描く「桜」
絵や写真が大好きだった私は、見えづらさが進行するとともに、大切な景色や家族の写真を見ることができなくなることを恐れていました。そんな中、「もし毛糸を使って絵が描けたら…手触りで景色や思い出を感じることができるのでは?」と感じるようになりました。そのアイデアのきっかけは、息子と訪れた大塚美術館で陶板画に触れた経験からでした。心に残る笑顔や風景を、触れながら記憶として感じ取る喜び。それを毛糸で描くことで再現したいと思ったのです。
初めて挑戦したのは「桜」の絵でした。桜には、たくさんの思い出があります。子供と一緒に見た桜、母や叔母と眺めた桜、友人と語らった桜、p伴走歩仲間と見上げた桜。視覚の不自由を少しでも楽にしてあげたいと支えてくれる鍼灸の先生と過ごした時間…多くの人に支えられてきた日々がよみがえりました。その全てが一つの作品に込められています。
「今」も「過去」も「未来」も感じながら、感謝と愛の循環を全身に感じたあの瞬間を形にしたくて、私は初めての作品を「桜」にしました。
3. 作品展参加のきっかけ
手織りの楽しさに夢中になっていた頃、知人たちから「作品展に出品してみては?」と勧められました。手織りを始めたことや、その作品に込めた思いを話すと、「一年に一つ作品を作ることを目標にしてみてはどう?」と言われ、日々サポートしてくださる方々への感謝も込めて、出品することを決めました。
4. 応募とその後
必要事項を入力し、作品の写真を添付して、応募が完了!ホッとしたのも束の間、作品展示には台紙や額装が必要なことを知り、重さの関係で額装が必要であることがわかりました。IKEAや無印良品でシンプルな額を探してみたものの、オンラインでは奥行きが分からず、店舗で確認することにしました。
初めての場所には、ガイドヘルパーさんと一緒に行くようにしています。無印良品では望む額が見つからなかったため、画材屋さんへ。そこで、新たな出会いがありました。親切な店員さんが額装の基礎知識を教えてくれ、一緒に額を選んでくれました。さらに、作品を台紙に固定する作業もお願いしました。
次は作品搬入です。美術館の場所は知っていましたが、入口やスロープの位置が分からなかったため、下見に行くことにしました。点字ブロックもあり、道順を覚えれば大丈夫そうです。ただし、美術館内の移動はまだ不安がありました。
いざ、搬入日。ガイドヘルパーさんと一緒に美術館に向かいました。館内は真っ白で、壁も床も天井も、手すりも扉も真っ白。これは一人では難しかったかもしれません。無事、作品を所定の場所に設置し、搬入を終えることができました。
5. いよいよ、作品展が始まる!
いよいよ明日から作品展が始まります。ドキドキと期待が入り混じる気持ちです。支えてくださる方々への感謝をこめて、そして、同じように見えづらさを抱える人たちの癒しや励ましになればと願っています。
新たな道を歩み始めた自分を感じることができました。明日からの展示会が楽しみです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
健康で、彩りのある日々を🍀