春と夏のあいだに吹く、ちょっと気まぐれで、でもどこか澄んだ風。
そんな季節に、ずっと気になっていた場所を訪れました。
神戸・須磨にある「須磨離宮公園」。
その名のとおり、かつて皇室の別荘だったという由緒ある庭園で、整えられた噴水やバラ園が広がる場所です。
あまり視覚に頼らない私でも、風や香り、音の重なりから「美しさ」を感じられる場所がある。
そんな気づきもあって、今回は園内をゆっくりと歩いてみることにしました。
「季節のいいときに歩きたくて」
——一度は訪れてみたかった庭園へ。
整えられた庭園や、かつての離宮という言葉に惹かれて。
前から気になっていた須磨離宮公園。春と夏のはざま、風が気持ちいいこの季節に、ようやく訪れることができました。
自然の中で、心も身体もゆるめる時間がほしいな。
そんな気持ちが後押ししてくれた、初夏のおでかけです。
「5月1日、雲ひとつない青空」
——日差しは強め、でも風がやさしい。
この日は、まさにおでかけ日和。
空はすっきりと晴れて、ひとすじの雲もなく、陽ざしがまぶしい日でした。
山陽電車の月見山駅で下車して、そこからは徒歩で10分ほど。
じんわり汗ばむ陽気に、日傘がありがたく感じるくらい。
でも、正門をくぐってすぐの木陰に入ったとたん、空気がひんやりと変わるんです。
「わぁ、気持ちいい……」
思わず声に出してしまったほどの涼やかさ。
歩いてきた暑さが、すーっと引いていく感覚。自然のやさしさに迎えられるようでした。
「月見山駅からバラの小道を歩いて」

駅から公園までは、案内に沿ってバラの小道を歩くルート。
歩道に描かれたバラのマークをたどっていけば、迷わずたどり着けます。
途中には歩道橋があり、南側にはゆるやかなスロープがついています。
私はそのスロープを上がり、北側は階段を利用しました。
スロープは自転車の方ともすれ違える広さです。
こうした段差や道幅の情報も、行く前に知っておくと安心ですね。
「いよいよ入園。まずは噴水とバラ園へ」

正門のすぐ右手に受付があります。
身体障害者手帳を提示すると、本人と同行者1名まで入園無料になり、とてもありがたかったです。
園内に入ってまず出迎えてくれるのが、左右対称の美しい噴水庭園。
整えられたバラ園と、きらきらと光る噴水。まるで外国の王侯貴族の庭に迷い込んだような景色が広がります。
この噴水の周辺には、ベンチやゆったりとした通路も多く、2人並んで歩いても余裕のある広さ。
歩きやすく、ところどころで休憩もできるのがうれしいところです。

「見頃には少し早い、けれど美しいバラたち」

私が訪れたのは5月1日。
バラたちは、ちょうど開花が始まったばかり。
花びらをゆっくりと広げたバラと、まだきゅっと蕾をとじた子たちが混ざっていて、それぞれの表情が見られました。
園内には香りの強いバラもあり、
「これ、何かに似てるね」「この香り、好きかも」
なんて、香りをたよりに会話が弾みます。
見頃は、おそらく5月中旬ごろ。
満開になったら、きっと今よりもさらに華やかなんだろうなぁと、想像するだけで心がふわっと明るくなりました。




「牡丹園で出会う、凛とした美しさ」

バラ園のあとは、少し足を伸ばして牡丹園へ。
こちらはこぢんまりとしたスペースで、6つほどの区画に牡丹が咲いていました。
半分ほどはすでに切り戻されていましたが、まだ咲いている牡丹もあって、その存在感に惹き込まれます。
——薔薇か、牡丹か。
ふとそんな言葉が頭をよぎって、
「一輪でこの華やかさ、すごいなぁ」と見惚れてしまいました。
整った姿、気高さのようなものを感じて、しばし時間を忘れて立ち止まります。
※通路はやや狭めですが、すれ違いは可能です。


「花菖蒲園は、次の季節の準備中」

正門へ戻る途中、立ち寄ったのが花菖蒲園。
水が入る前の静かな園内では、苗たちがきちんと整列して育てられていて、
「こうやって育てられてるんだ」と新たな発見がありました。
名札の向きも、バラ園とはまた違っていて。
細やかに手入れされ、迎える季節を静かに待つ花たちに、そっと頭を下げたくなる気持ちになります。

「花にふれると、思い出もふいに咲きはじめる」
バラの香りに包まれると、思い出すことがあります。
バラが好母との会話。バラ園に一緒に出かけた日。
二十歳の誕生日に贈られた、真っ赤な20本のバラ。
引っ越しのとき、叔母が贈ってくれたバラの花束。友人が送ってくれたリース。
花の香りや色って、記憶の扉をそっと開けてくれますね。
読者のみなさんにとっても、バラや牡丹には、それぞれの思い出があるのではないでしょうか。
忙しい日々のなかで、少し足を止めて、自然の中に身を置いてみる。
そんな時間も、大切な自分のための「栄養」になるように感じます。

【須磨離宮公園の基本情報】
- 名称:須磨離宮公園(すまりきゅうこうえん)
- 住所:神戸市須磨区東須磨1-1
- アクセス:山陽電車「月見山駅」から徒歩約10分
- 開園時間:9時〜17時(入園は16時30分まで)
- 休園日:毎週木曜(祝日の場合は開園)、年末年始
- 入園料:一般 400円、障害者手帳提示で本人+介助者1名無料
- 公式サイト:須磨離宮公園公式ページ
「静かな時間に、ふと立ち返る場所」

須磨離宮公園で過ごした一日は、心と身体にやさしい余白をくれました。
自然の中で、自分自身と向き合うような時間。
そして、香りや風が、ふいに思い出をつれてくる不思議なひととき。
これからも季節ごとに、また訪れてみたいと思います。
忙しい毎日を送るあなたにも、そっと風が吹きますように。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
健康で、彩りのある日々を🍀


