王子公園駅での静かな待ち合わせから始まった、特別な一日。今回の作品展は、私にとって「自分らしさ」について改めて考える機会を与えてくれました。初日の開場前、予期せぬ温かい歓迎に胸が熱くなり、エネルギーに満ちた作品からたくさんの刺激を受けました。その初日の作品展の体験の様子をお届けします。
王子公園駅での待ち合わせ
休日の朝、少し早めに家を出た。王子公園駅は静かで、人混みがないおかげで、三宮よりもずっと待ち合わせがしやすい。
駅の西改札で知人と待ち合わせることにした。王子公園駅は使いやすいが、階段を降りるときにちょっとした注意が必要だ。特に左手の階段は、下りるとカーブが急で、ふらっとしてしまいそうな感じ。それでも、いつもの三宮よりは静かで安心できる。
エレベーターは東改札にある。
西改札を出て、友人と美術館へ向かう途中、少しずつ心が高まっていく。美術館は山手にあって、なんだか特別な場所に向かうような気分だ。
作品展初日!
美術館に着くと、予定よりも早く到着してしまった。実は、美術館のオープン時間と勘違いして、少し早く来てしまったのだ。他にも同じように早く来てしまった来場者が数組いた。
最初はどうしようかと思って、「ランチでもしてから戻ろうかな」と考えながら、美術館の白いスロープを登ってみた。
すると、搬入の時にお会いした美術館の担当者が入口に立っていた。
「おはようございます」と私たちに笑顔で声をかけてくれた。なんと、私の顔を覚えていてくれたのだ!ちょっと驚きつつも、嬉しい気持ちに。
「時間を間違えてしまって…」と伝えると、彼女は笑顔で「どうぞ、ゆっくり見ていってください」と優しく迎えてくれた。この瞬間、見えづらさに対する理解と配慮を感じ、本当に感謝の気持ちが込み上げてきた。
感性が揺さぶられる作品たち
美術館に入ると、目に飛び込んできたのは、カラフルでエネルギーに満ちた作品たち。どれも個性豊かで、作品に込められた想いや情熱が伝わってくる。これまでにも多くの美術館や個展を訪れてきたが、今回の感覚は初めてだった。
一つ一つの作品に触れるたびに、心の中にざわめきが生まれる。自由な発想、独創的なアイデア、そして額装もバラエティ豊かで、ゆっくりと時間をかけて鑑賞した。
自宅に戻ると、身体はそれほど疲れていないのに、心がざわざわして落ち着かない。この感覚は何だろう…と考え続けながら、作品展初日が私にとって特別な一日だったことを実感した。
会場を出ると
鑑賞後、担当者から声をかけられた。「新聞記者の方が来ていて、出品者のお話を聞きたいそうです。いかがですか?」と。知人と顔を見合わせ、少し迷ったものの、「はい、ぜひ」と返答した。今回の作品展に応募した理由の一つは、私と同じように見えづらい、見えない方々にも、「見えなくてもできることがある」というメッセージを伝えたかったから。焦らず、自分のペースでできることを楽しみ、不安な時でも心穏やかな時間を持つことができればと願っていた。そんな思いを、作品だけでなく自分の言葉でも伝えられるチャンスだと感じた。
新聞記者の方と対面し、いざインタビューが始まるかと思ったが、そこで「本名や顔写真の掲載が必須」との説明があった。その瞬間、色々なリスクが頭をよぎった。視覚障がいを抱える私にとって、顔や名前を出すことには特別な慎重さが求められる。挑戦することは大切だけど、リスクについても冷静に考える必要があると判断し、今回のインタビューは丁重にお断りすることにした。これは、見えない・見えづらいという現実を抱える者として、自分自身や周囲の安全を守るための決断だった。
自分らしさを見つめ直す
今回の作品展を通じて、「自分らしさって何だろう?」と考える機会を得た。自分の感性や個性をさらに大切にしようと感じた一日。この思いを胸に、これからも日々を丁寧に過ごしていきたい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
健康で、彩りのある日々を🌈