見えづらさを抱えるみなさんは、普段食料品のお買い物はどのようにされていますか?
スーパーやドラッグストアなどでのお買い物が難しい方もいらっしゃると思います。ネットショッピングやアプリでお買い物をされた事はありますか?
自立訓練でVoiceOverを学んだので、私が普段使っている食料品のお買い物アプリ『Oisix』と『コープ』をVoiceOver で試してみました。VoiceOverで注文は出来るのでしょうか?
ここでは、視覚障がい、ロービジョンの当事者がお買い物アプリをVoiceOverで使ってみた感想と使い方をご紹介します。
▶︎iPhoneのVoiceOver設定は、こちらでご紹介しています。
『Oisix〈オイシックス〉』
オイシックスは、有機農産物や無農薬野菜、天然飼料に育てられた肉や魚、加工品や調味料など、高品質な食材を取り扱っているオンライン宅配サービスです。
生産者と直接取引し、安心・安全な食品を提供してくれるところが気に入っています。
定期的に宅配される食材セットだけでなく、自由に選べる単品購入、レシピ提供サービスなどがあり、忙しい現代人にとって、手軽に健康的な食生活を送ることができるサービスとして人気があります。

良いところ
・ 商品名をタップすると、商品リンクへ移動し、商品の評価や口コミを見ることができる。
・ 商品名が個性的なので、他の商品と間違えにくい
・ 商品名のところに産地が載っているので確認しやすい
・ スクラブ(2本指で画面上をN、前ページに戻る)ができない。
困ったところ
・ タブバーは反応するが、VoiceOverでタブバーの上に表示されている定期ボックスは反応せず、ボックスを開くことはできない。
・ 注文内容の確認がVoiceOverを使ってできない。
試した使い方
定期ボックスを契約しているので、VoiceOverを使ってまず定期ボックスを確認してみたが、定期ボックスをVoiceOverでは開くことができず、検索機能を使って注文を試みました。
1 VoiceOverオン
2 アプリを開く。画面上を指で擦ってオイシックスアプリを選んでダブルタップ。
3 画面下部のカート内容を確認するをダブルタップ。(ローター機能のボタン)
ここで、定期ボックスをVoiceOverでは開けないことがわかり、検索で商品を注文することを試みました。
4 タブバーの探すを選択し、ダブルタップ。
5 画面上部の何かお探しですかの検索フィールドをダブルタップ。
6 音声入力で検索したい商品を入力する。
7 商品を確認して買うをダブルタップ。(買うはローター機能のボタン)
8 数量を1本指で上下して選択する。
9 画面右側の完了をダブルタップ。(完了はローター機能のボタン)
▶︎定期ボックスをVoiceOverで開くことができないため、不要商品の削除や注文内容の確認ができませんでした。自立支援訓練士さんとともにもう一度アプリを試してより使いやすい方法を探ってみたいと思います。追記していきます。
『コープ』
コープは、農家や生産者と直接取引を行うことが多く、生産地からの流通ルートが短いため、新鮮で安心・安全な食品を提供。
遺伝子組み換えや農薬使用による環境汚染のない商品、地元の農家や生産者を支援する商品、フェアトレードの商品など、多様な商品を提供しているところも気に入っています。
コープも宅配サービス『めーむ』があります。アプリでオンライン注文することができます。

良いところ
・ タブバーに注文書があり、簡単に注文カゴの中の商品を確認することができる。
・ 注文書の確認は何月何回分の注文書で合計金額がいくらか、いつ配達かをまず伝えてくれる。
・ この街の注文書を取り消しのボタンがあり、すべてをキャンセルするときには便利
困ったところ
・ アプリ内のウェブカタログはPDFのためVoiceOverは使えない。
・ 商品名をタップしても、商品リンクへ飛ぶことができず、商品の詳細を音声で知ることができない。
・ 数量を音声入力することができない。画面を擦って希望の数字でダブルタップ。
・ ローラー機能が使えない。
・ スクラブ(2本指で画面上をN、前ページに戻る)ができない。
試した使い方
アプリ内のウェブカタログはPDFのため、VoiceOverを使えないので、現時点で可能な注文操作をお伝えします。(2023年5月15日現在)
コープアプリで注文するには、検索を使いました。
1 VoiceOverをオン。
2 コープアプリを開く
3 検索
4 検索ワードを音声入力
5 注文をダブルタップする。(注文はローター機能のボタン)
6 数量を入力する。画面数字を指でなぞって、指定したい数量の数字をダブルタップする。(数量はローター機能のテキストファイル)

オイシック、スコープそれぞれのアプリともに使いやすさ使いづらさがありました。まだVoiceOverを使い始めたところで、私自身が操作に慣れていない部分もあるので、再度訓練士さんとともに現状でより使いやすい方法がないかを探ってみたいと思います。
今回2つのアプリを使ってみての素直な感想は、『使いづらい』でした。ルーペや拡大機能を使ってなんとか今は注文できていますが、VoiceOverで注文となると正直厳しいです。アプリ開発の方に視覚障がい者が使っている音声やローター機能などについて関心を持ってもらうことも大切なのかなと感じました。コロナ禍を経て、電話での問い合わせ窓口なども繋がりにくくなっている今、VoiceOverの技術を習得するとともに、アプリ開発分野でも多様性やユニバーサルデザインの意識が広がり優しく柔らかな社会へと向かうことを願っています。
今の私にできることは、技術をあげること、フィードバックすること。
できることからやってみよう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
健康で、彩りのある日々を🍀