映画『天外者』の舞台裏を紹介したドキュメンタリー番組が放送されました。
そこには、三浦春馬さんが役柄に真摯に付き合う姿や、エキストラや共演者への優しさ、気配り、そして何より笑顔が溢れていました。全国放送ではなかったため、見ることが叶わなかった多くの春馬くんファンへ少しでも様子が伝わると嬉しいです。
藍染のハンカチ
五代友厚さんは藍染にも尽力されていました。映画の中では、そのエピソードは描かれていませんが、三浦春馬さんは五代さんの藍染への強い思いも表現しようと、監督に、小道具のハンカチを藍染にできないか、声をかけました。
そして、自分が著書『日本製』で訪れた藍染工房『BUAISOU 』に頼んでみると提案したのです。
こちらが、そのハンカチです。

クランクインまで2年間、五代友厚さんについてたくさんの本を読み、役作りをされたそうです。
その中で、五代さんの藍染への尽力を知り、
著書『日本製』で訪れた藍染工房の青年たちの藍染への強い思いが重なったそうです。
そして、この藍染ハンカチにみんなの想いが込められたのです。
三浦春馬さんは、役へのこだわりだけでなく、人と人を繋いでいける稀有な俳優。
みんなでより良い作品を!
そんな思いは、彼のよりよく生きようとした人柄そのもの。
こだわりを持ちつつも、みんなを包み込む度量。
こんな俳優、他にいるでしょうか。
『今だけ、金だけ、自分だけ』の今だからこそ、
これからの時代、三浦春馬、彼のような人が必要だった。
私たちは、とても大切なものを失ってしまった。
彼はインタビューでこんなふうに答えています。
『どんな時代も天外者がいる。』
そう、三浦春馬さん。
あなたこそが、天外者だった。
忠信孝悌
三浦春馬さんは、儒学者の息子であった五代友厚さんを知るために、
自らも儒学を学んだそうです。
『論語』も熟読されたようです。
五代友厚さんが大隈重信さんに送った手紙を読んだ春馬くんは、
ある言葉が思い浮かんだそうです。
それは、論語の『忠信孝悌』。
『忠信孝悌』という言葉についても語っています。
『忠』とは、真心。良心的であること。
『信』とは、信用されること。信頼を勝ち取ること。
『孝悌』とは、両親や友人を大切にすること。

春馬くんも『論語』に取りかかった時、難しく感じて、
渋沢栄一の『論語と算盤』から読み始めたそうです。
ちょうど今、私も『論語と算盤』を読んでいるところです。
よりよく生きるヒントを求めて。

五代友厚を引き受けてからクランクインまで2年間、三浦春馬さんは儒学や五代友厚さんについて学ぶ一方で、殺陣や和装の所作等も磨きをかけていきました。
舞台やドラマをこなす中での準備。
いったい、どんな生活だったのだろう。
『この作品に、悔いはない!』ときっぱりと笑顔で語った春馬くん。
どれほどの努力を重ね、人知れず尽力してきたのだろう。
一流の俳優が『悔いはない!』そう表現した作品。
ぜひ、多くの人に『天外者』を通して、五代/三浦春馬さんのメッセージを受け取ってほしい。
5回目の月命日が過ぎても、涙は枯れません。
天外者を観るたびに、喪失感が大きくなります。
観れば観るほど、演技力の凄さを、進化を感じます。
これほど美しい所作、殺陣、佇まい。
涙のシーンはどれも、表情や息づかい、声色、繊細に演じ分けています。
ブロードウェイの舞台で、世界の映画で、自由に駆ける彼を見たかった。
精神性、所作を含め、日本の素晴らしさを体現できる彼が、どれほど貴重な存在だったか…。
彼は夢を叶え、日本の素晴らしさを伝えられた。
なぜ、こんなことになってしまったのか…。
今日も、青空を見上げ、そして、月を眺めています。
彼が笑ってくれているようで、そして、見守ってくれているようで。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
健康で、彩りのある日々を🌸🐎